今日は魚箱ラベルデザイナー的仕事術のお話です!
前回、魚箱ラベルデザイナーになったきっかけについてお話しました。
恩師からの斡旋から入社まで3日、即入社となり、面接で仕事内容を聞かされていない状態で前任者からの引き継ぎが始まりました。
ちなみに前任者は私の卒業した短大の先輩でした。
先生からは仕事内容聞いてる?
まぁ、間違ってはないか・・・
先輩からは
・この会社は商社であってデザイン会社ではない
・自分たちが担当するのは副資材で、メインは発泡スチロールを販売する会社である
・自分たちの部署を担当する人員は自分1人しかおらず、決済などは営業部長が総括してみている
・営業部長は他の部署の仕事で忙しいので、基本は自分1人で解決するように
つまり、私は入社して引き継ぎが終われば1人でこの部署を回さなければいけなくなる。
それって私入社して速攻課長って事やん!!!すごい!!!
・・・今思えばなんて浅はかな考えなのか。でもこのポジティブ思考じゃないときっと乗り越えられなかったはず。バンザイ私。
入社してすぐ、電話対応から教えてもらいましたが、相手は漁協関係のおじさまばかり。
・声が割れるくらいでかい
・早口
・方言で聞き取りにくい
・聞き直すとキレられる
・・・入社当時はなんどもキレられて「もういい」と言いながらガチャンて電話切られたなぁ・・・
入社してから引き継ぎが終わるまでは、とにかくお客様から千本ノックを受ける日々でした。
それなりに損失も出しました。
でも、前任者が最後まで根気強く私にノウハウを叩き込んでくれたおかげで、引き継ぎ終了後もなんとか仕事を進めることができました。
ちなみに魚箱ラベルにおいて多いクレームBEST3は下記の通りです。
1:印刷色が希望したものと違う
2:希望納期より遅い
3:製品不良
製品不良は完全に工場へ投げます。
希望納期は、これは魚箱ラベルあるあるなのですが、例えばさんまなどシーズンものは急に漁獲量が上がったりするので、予測を上回る数が出たりします。
その場合、ラベルが追いつかなくなり発注から1週間で納品(通常は2〜3週間)など無茶を言われます。
印刷色のクレームは、印刷業なら誰でも経験があると思いますが、魚箱ラベルの場合は前回ロットとの色の差が出ると、陳列した時に目立ちます。
「陳列したらラベルの色が違う!!確認して作り直せ!!印刷色の薄い分は全ロット廃棄じゃ!!」とクレームを言われるのですが、そこをなんとかディスカウントで使用してもらえないか、という交渉もやりました(多分それが先方の狙いだったりする)。
どうにかスマートにこたえられないだろうか。。。
そこで「まずは先回りしてお客様にお声かけをする」というのを実践しました。
過去の実績から、だいたいこの時期にオーダーいただいているなと思うものをリストアップして、1ヶ月前に「過去の実績でこれらのアイテムオーダーいただいてますが、在庫どうですか?」とメールや電話をしました。
するとこれが「在庫管理が楽になった」とお客様に好評で、こちらも毎月の売り上げ目標の目安をつけやすくなったので一石二鳥でした。
無茶な納期を言われることも少なくなり、工場の負担も減らすことができました。
印刷色については、
印刷色が希望より薄い
↓
とりあえず何も言わずに先方に納品
↓
クレーム来なかったらラッキー、クレーム来たらその時対処
この流れを変えました。
印刷色が少しでも違うと思ったら、前回ロットのサンプルと今回ロットのサンプルを先方に送付し、このまま納品してもいいかお伺いを立てることにしました。
これも事実を隠蔽して事をおさめるより、正直に言った方が先方も理解した上で判断できるので「今回はそのまま使うけど、次回は気をつけてね」と受け入れてもらえるようになりました。
これらの事で学んだのは
・これまでの仕事のやり方を疑う
・あらゆる事態を予測して先回りする
・ミスは素直に伝え、どのようにリカバリーするか伝えた方が信頼度が上がる
あとは相手がおっちゃんばかりで基本パソコン嫌いが多かったので、ファックスなど文書でのやりとりが多かったのですが、必ず手書きで一言メッセージは添えていました。
自分がされて嬉しい事はトライ&エラーでどんどん実践していくスタイルです。
とはいえ、このスタイルに落ち着くまで4年はかかりました。
これまでの仕事のやり方が全て正しいわけちゃうで、という営業マンの言葉で変われました。
このやり方、効率悪いなぁ・・・でも他の人の目もあるしなぁ・・・と思っている人がいたら、悩むよりまずトライしてほしいなと思います。
次回は魚箱ラベルのデザインについて紐解いてみたいと思います。
今日も長い文章を最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
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